卒後ワークライフバランスについて考える会2017 in Jichiを開催しました(6/11/Sun)

 

 平成29年6月11日(日)、医学部学生寮にて卒後ワークライフバランスについて考える会2017 in Jichiを開催しました。女子学生28名、男子学生7名、卒業生18名を含む合計67名の方にご参加いただきました。

 

 今回のテーマは「地域でのワークライフバランスとキャリアを支える」です。講演会では、吉村裕子先生(東京都25期)、紙本美菜子先生(鳥取県31期)、加藤一朗先生(島根県21期)から義務年限中・義務年限後の過ごし方や仕事と家庭を両立していく様子についてご講演いただきました。

 

 卒後、それぞれに異なる道筋を歩む3名の卒業生のお話は大変興味深く、同じ自治医大を卒業しても、働く環境や何を大切にするかで変わってくるのだと改めて感じました。

 講演では在学中のことから現在に至るまで赤裸々にお話しいただき(演者の先生の恋愛話も!)、学生は他ではなかなか耳にすることのできない話題に熱心に聞き入っている様子が非常に印象的でした。

 

 その後は情報交換会とグループワークを行いました。

 グループワークではテーマを「ワークライフバランスの中にキャリアを見つけよう」としてディスカッションをしていただきました。学生は自分の経験が「キャリア」にとってプラスになるかマイナスになるかを卒業生の意見を聞きながら考えました。

 学生からは「どんな経験も基本的にはプラスになる(けれども大事な試験前には恋愛はマイナスになるかもしれない…)」といった意見や「例えばアロマテラピーの資格を取ることが直接的にはキャリアに繋がるわけではないが、内視鏡室にアロマの香りを漂わせることで操作がうまくいくとか、関係なさそうなことでもどこかで医学に繋がったり、対人関係を良くするための経験につながるのではないか」といった面白い意見も聞かれました。

 

 参加者から「時間が足りなかった」という意見が聞かれるほど、会は盛況となりました。学生からの感想では「色々な先生方や学年を越えてお話をすることができて、自分の“キャリア”が広がりました」との意見も聞かれました。

 

 紙本先生の講演では、在学中にワークライフバランス講演会に参加する機会があって…とお話をいただきましたが、今回耳にしたことが、卒後のどこかのタイミングで役立てられたり、困ったときの良き相談相手など、顔の見える関係性作りの一助になれば幸いに思います。

 

 会を開催するにあたり、お忙しいところ遠方よりご参加いただきました卒業生の先生方に感謝申し上げます。

 

自治医大卒業生女性医師支援NEWS(PDF)

アンケート結果(PDF)

 

集合写真

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講演①吉村裕子先生「すべての出時に感謝して~自治医大卒業の一母として思うこと~」

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・お子さん4人を育児した(する)中でどのような育児支援サービスを使ってきたか
熊本地震の報告
・義務年限中は熊本と東京を行ったり来たり。配置によっては夫婦の別居期間もありながら、どのように子育てを実践したか具体的な方法をご講演いただきました。

講演②紙本美菜子先生「おばちゃん家庭医への道!」

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・学生生活&医師生活を振り返って
・義務年限や地域医療での経験を活かすことのできるキャリア形成
・子育てしながら地域勤務する女性医師の具体例を周囲や家族との関係性を交えながらご講演いただきました。

 

講演③加藤一朗先生「これだから離島医療はやめられない!」

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・離島医療も地域付き合いも家族へも全力(PTA会長でPTA県理事!)

・”離島”という環境の中で充実したライフ&ワークをする。

・「離島の医師を支える妻」の取材依頼を奥様が「助産師を支える夫」なら考えるけど!と言って一蹴した話に会場は大ウケでした。

 

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・お弁当を食べながらグル―プ毎に懇談。どのグループも盛り上がっていて時間が足りませんでした。4月から附属病院で後期研修中のドクターも会に参加してくださいました。

 

 

プライマリケア学会ワークショップのおしらせ

今回は、女性医師支援担当の石川由紀子先生(静岡県17期)からのおしらせです。

プライマリケア学会「究極の女子会~みんなちがってみんないい~」

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 今年も高松で行われるプライマリケア連合学会にて「究極の女子会~みんなちがってみんないい~」を開催します。今年で3回目になりさらにパワーアップしてお届けします。 

 日時は5月13日(土)、12:15~13:15 第4会場(サンポートホール高松 6階 61会議室)。今年のテーマは”女性医師の育ち方、育て方”です。共通認識は、医業と、女子の毎日の両立が大変ということ。日々忙しく不安や悩みも無限大。そんな中、私たちは職人集団として、自らが成長し続けるとともに、後輩の成長を手助けしていく必要があります。ファシリテーターに二人の男性医師が参加しており、男性の方も大歓迎です。事前登録制ではありません。一緒プライマリ・ケアに貢献できる方略を考えてみませんか? 飲物とお菓子を用意してお待ちしています。お弁当持込OKです。 

 また同じ13日の16:45~18:15に行われるワークショップにも注目です。第8会場(高松シンボルタワー 4階 BB スクエア)「今、私たちの求めるサポートとは?キャリア支援プログラムを知ろう!語ろう!」先進的に女性医師支援を推進する先生方に壇上に上がっていただき現在の取り組みをお話いただきます。白石 裕子先生(隠岐広域連合立隠岐島前病院)が司会進行を行います。演者は牧野伸子先生(自治医科大学 地域医療学センター 公衆衛生学部門)佐野千晶先生(島根大学医学部 地域医療支援学講座)片岡仁美先生(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科地域医療人材育成講座)川合厚子先生(社会医療法人公徳会トータルへルスクリニック)です。是非こちらにもお越しください。

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卒業生リレーエッセイvol.13

 自治医科大学メールマガジンで配信している『女性医師支援NEWS』より、卒業生リレーエッセイを掲載します。

 今回執筆いただいたのは、岡山県29期の奈良 藍子先生です。

 

奈良藍子先生〔リレーエッセイvol.13〕

 

 奈良先生執筆いただきありがとうございました。

 次回のリレーエッセイもお楽しみに!

学生懇談会(京都府・栃木県)を開催しました(11/30/Wed)

 

 昨年から、学生により具体的に卒後の勤務等について考えてもらう機会として、卒業生の先生とその出身県の女子学生との小規模懇談会を開催しています。

 

 今年度2回目となる懇談会は11月30日に京都府28期の松原優里先生にお越しいただき開催しました。女子学生は9名集まりました。

 

 出席者からの自己紹介の後、松原先生から卒後から現在までについてをお話ししていただきました。松原先生は義務年限中は京都府と栃木県で勤務されており、それぞれの府県での勤務や育児について話がありました。

 

 義務年限中は引っ越しが多く、また松原先生の場合は府県をまたぐこともあったため、ご苦労が多かったように思われますが、新天地を新しい機会の場と捉え何事も前向きに考えてきたとのお話を聞くことができました。

今回の参加者9名中、4名が6年生であと4か月後には医師としての生活が始まります。国試を控え、卒後への不安も多い中、「初めての場所は怖く思うこともあるが、一歩踏み出してみたら変わってくる」とお話しされた先生の言葉で、これからのことを前向きに考えられた学生も多いのではないかと思います。

 

 今回の機会が、今後、学生が卒後の勤務について考える上で参考になれば幸いです。

 

 この場をお借りして、貴重なお話をしていただいた松原先生に御礼申し上げます。

 

☆参加した学生からの感想(M6 古橋柚莉さん)

松原先生のお話をお聞きし、小児科医として働きながらも、家庭も疎かにせず3人のお子様の出産・育児をやり抜く姿はとても頼もしく思いました。しかしその過程で、仕事と育児の両立への不安や仕事から離れるという不安など、多くの悩みに突き当たったということも知りました。周囲に頼っていいんだよ、違った側面から見れば良いことかもしれない、など前向きなお言葉をいただき、大変勇気付けられました。

このような、講師の先生お一人を学生たちが囲むという形の懇談会は事新しく、よりくだけた雰囲気で自由に発言することができました。通常の講演会ではきっと知ることのできない、先生のユーモラスな部分をみられたことも収穫だと思います。今回は企画していただき、ありがとうございました。

 

★松原先生から学生へのメッセージ

・子育てを通して見えてくる世界もあります。 ・子育てをしている自分だからこそできることがあるかもしれません。 ・得意分野や自信をもてることを探りながら、ゆっくり足踏みしながら医師としても母としても成長していけるといいですね。 ・うまくいかないときは、落ち込んでもいいのです。またエネルギーを充電し、一歩前へ踏み出せると、きっと新しい成長ができるはず。 ・お互い頑張りましょう!

 

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卒業生リレーエッセイ〔19期生vol.4〕

 自治医科大学メールマガジンで配信中の卒業生リレーエッセイを掲載します。

 今回執筆いただいたのは、山形19期の井田 理絵先生です。

 

井田 理絵先生〔19期生リレーエッセイvol.4〕「 遠くに住んで親を看取る 」

 

 井田先生執筆いただきありがとうございました。

 

 次回のリレーエッセイもお楽しみに!

広島県広島市で女性卒業生の勤務状況調査を行いました(11/5 Sat)

 昨年は山口県山口市で開催した勤務状況調査(女性医師の集まりの会)ですが、今年は広島県広島市で行いました。 

 会は、11月5日(土)広島駅近くの広島県医師会館会議室で行い、女性卒業生は山本尚子先生(14期)を始めとして6名の女性卒業生にご参加いただきました。

 大学からは牧野伸子卒後指導副部長(女性医師支援担当)が参加しました。

 

 会は牧野副部長の挨拶に始まり、出席者からの自己紹介、大学の女性医師支援に関する取り組みの紹介、その後、意見交換を行いました。 

 参加いただいた先生方の卒業期は14期から38期と幅広く、子育てが一段落した方から、現在第一線で勤務している方、子育て真っ只中、研修中の方まで色々な状況下にある方にお集まりいただきました。

 意見交換では参加いただいた先生方の現在の勤務に至るまでや、広島県の女性医師に関する活動のこと、専門医と地域医療についてなど多岐に渡って意見が交わされ、非常に有意義な時間となりました。 

 大学の支援を紹介する際に牧野副部長から「自治卒医は謙虚で控えめな方が多いが、自分のこれまでの経験に自信を持って自分自身を肯定してほしい」とありました。会に参加されたそれぞれの先生が異なるフィールドでご活躍されておりますが、共通して義務年限を過ごした、または過ごしておられます。義務年限が終了した先生からは「義務はマイナスではなく、地域での経験が現在も役立っている」という意見が聞かれ、将来に対して希望の持てるお話であったように感じました。自分自身を肯定したり、物事を良い方向に考えられるようにもっていく姿勢が大切であることを卒業期が上の医師から若手医師へのメッセージとして伝わったように思います。

 

 閉会の挨拶時、山本尚子先生より「これをきっかけに広島県卒女医で集まる会にとどまらず、さらに大きな輪を広げたい」とお話しいただきましたが、以降もこのような機会が続きましたら幸いなことに思います。 

 

 あっという間に2時間は過ぎましたが、短い時間ながらも充実したご意見を伺うことができました。

 お集まりいただいた先生方ありがとうございました。

 また、開催するにあたり多大なるご協力を頂きました山本先生、谷口真理先生(当日は所用のためご欠席)に重ねて御礼申し上げます。

 

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上段左から

定金敦子先生(福岡22期)、井原弥子先生(広島28期)、岡本和子先生(広島21期)、今村かずみ医師(広島38期)

下段左から

宮﨑明子先生(広島20期)、山本尚子先生(広島14期)、牧野伸子先生(大阪10期)

 

 

 

 

 

学生懇談会(岡山県・愛知県)を開催しました(10/21/Fri)

 昨年から、学生により具体的に卒後の勤務等について考えてもらう機会として、卒業生の先生とその出身県の女子学生との小規模懇談会を開催しています。 

 今年度初回となる10月21日は岡山県30期の神谷尚子先生にお越しいただき、女子学生は1~3年生まで8名集まりました。 

 始めに神谷先生から卒後から現在までについてをお話ししていただきました。今回参加した学生は低学年でしたが、具体的に結婚協定を締結したときのことなどをお話しいただき、将来的に参考になったと思います。 

 その後は学生から自己紹介と質問があり、神谷先生から回答いただきました。

  学生からの質問には「出会いの機会」「キャリア」「育休からの復帰のとき」「育児の大変さとは何か」など多岐に渡る質問があげられました。 

 特に、「育児の大変さ」については子どもが小さいうちは仕事から帰ってからも、家庭のこと、子どものことに追われて身体が休まる時がなく、しんどい時もあったというリアルなお話がありました。ただ、子どもがいることで乗り越えられたお話も同時にうかがうことができ、学生にとっては非常に希望の持てるお話をお聞きすることができました。「家族」の存在が自分を支えてくれるのであると感じられたのではないでしょうか。 

 今回の機会が、今後、学生が卒後の勤務について考える上で参考になれば幸いです。 

 この場をお借りして、貴重なお話をしていただいた神谷先生に御礼申し上げます。 

 

★神谷先生から学生へのメッセージ

・結婚協定を結ぶ際には県の方とよく話すこと。

・特に育児中は職場の上司と相談しながら乗り越えていってほしい。

・子どもを産んでからは物理的に勉強時間が減ってしまう。その分は努力する。

・育児は本当に大変、でも子どもは支え、癒し。

・夫婦の家事は役割分担で!

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