自治医科大学メールマガジンで配信している『女性医師支援NEWS』より、卒業生リレーエッセイを掲載します。
今回執筆いただいたのは、島根県34期の川又あゆみ先生です。
川又先生執筆いただきありがとうございました。
次回のリレーエッセイもお楽しみに!
2018年11月に、赤坂真奈美先生(岩手16期)にご協力いただきまして、岩手県の女性医師の会に大学から参加させていただき、勤務状況調査(女性医師の集まりの会)を開催しました。
今年も、岩手県で女性医師の会が開催されたと、赤坂先生からお便りをいただきましたので、ご紹介させていただきます。
以下は、赤坂先生からいただいたメッセージです。・・・・・・・・・・
2020年1月18日(土)に、毎年恒例になった岩手県女医会を開催しました。まだまだ岩手県では女性医師が少なく、他都道府県から嫁いでこられた先輩も含めて10数名程度ですが、今回はそのうちの8名が参加してくれました。
今後、もっと有効な女医会にしたいなあと思いつつ、集まっては近況を報告しあう程度にとどまっています。
昨年は大学から牧野先生、山本先生が岩手県にお越しくださり、本当にありがとうございました。牧野先生、山本先生には卒業生、在校生、多くの悩める女性医師たちが相談に伺うものと思いますが、今後ともどうぞよろしくお願いします。
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J-PASSでは、困ったことがあったとき、いざというときに相談相手がいて支えあえるような「顔の見える関係づくり」を大切に活動しております。今後も、卒業生同士の繋がり、大学とのネットワーク構築を目指して活動を続けてまいります。
後列左から
赤坂真奈美先生(岩手16期)、高橋清香先生(岩手29期)、叶城倫子先生(岩手28期)、加藤幸恵先生(岩手22期)、田鎖愛理先生(岩手28期)
前列左から
中野美紀先生(岩手30期)、中野綜佑君(9歳)、長捺希先生(岩手県40期)、阿部真璃奈先生(岩手42期)
昨年は岩手県、大阪府で開催した勤務状況調査(女性医師の集まりの会)ですが、今年は奈良県橿原市で行いました。
会は、11月24日(日)、近鉄大和八木駅近くの「海蔵」にて行い、女性卒業生は阪口晶子先生(秋田県4期)を始めとして8名、男性卒業生は佐伯圭吾先生(奈良県22期)を始めとした3名の、計11名の奈良県でご活躍されている卒業生にご参加いただきました。
大学からは牧野伸子卒後指導副部長(女性医師支援担当)、石川鎮清教授(女性医師支援担当)が参加しました。
会は牧野副部長のご挨拶に始まり、大学の女性医師支援に関する取り組みについて石川教授からご発表いただきました。その後、横谷倫世先生(奈良県21期、女性医師支援ブロック担当)の進行で、出席者からそれぞれ自己紹介をいただき、意見交換を行いました。
会では現在の勤務、子育て、義務年限中を振り返って等、多岐に渡って意見が交わされました。
会の後半は意見交換&フリートークとし、ご出席いただいた先生方に意見交換をしていただきました。今回、男性卒業生にもご参加いただきましたが、男性視点で、働く女性をどう支えるかと考えを伺いました。女性医師支援というと、育児をする女性卒業生の集まりに思われがちですが、ワークライフバランスは、子育てに限ったことではありません。それぞれのワークライフバランスを保ちながら、女性医師支援の観点を切り口に、男性医師を含む、みんなが働きやすい環境を整えていけたら良いのではないかとお話がありました。
奈良県は、義務年限中に1人診療所に派遣されることもありますが、「診療所は楽しかった」と明るく話してくれる卒業生の姿が印象的でした。その背景には、いつも近くに相談ができて、支えてくれる先輩の卒業生がいて、後輩の卒業生にとって、頼れる大きな存在となっているようでした。J-PASSでは、「顔の見える関係づくり」を大切に活動しておりますが、その言葉どおり、困ったことがあったときには県内の卒業生同士で相談し、支えあっている卒業生の繫がりの強さを実感できる会となりました。
会の終わり、横谷先生から「仕事を続けるのが大変だった時期もあるが、今になると医師としてここまで続けてきて良かった、医師になれて良かったと思う。つらかったり、大変だったりするときもあると思うが、そのときはみんなに相談しながら、キャリアを繋いでいってもらいたい」というお話がありました。このような会を今後も継続して、1人で悩まず誰かに相談できる関係性づくりを続けていっていただけると幸いです。
あっという間に2時間半が過ぎましたが、短い時間ながらも充実したご意見を伺うことができました。
お集まりいただいた先生方ありがとうございました。
また、開催するにあたり多大なるご協力を頂きました横谷先生に重ねて御礼申し上げます。
上段左から
池上春香先生(香川37期)、佐伯圭吾先生(奈良22期)、明石陽介先生(奈良24期)、紙谷直毅先生(奈良32期)、石川鎮清先生(福岡12期)
中段左から
穐西実加先生(奈良34期)、牧野伸子先生(大阪10期)、紙谷史夏先生(香川32期)、関岡叙衣先生(奈良42期)
下段左から
阪口昌子先生(秋田4期)、西岡歩美先生(奈良35期)、大西真衣先生(奈良41期)、横谷倫世先生(奈良21期)
令和元年8月23日(金)、フクラシア東京ステーション(東京)にて「卒後ワークライフバランスについて考える会2019年度J-PASSブロック担当会議」を開催しました。平成25年度からスタートしたこの会は今回で7回目の開催となりました。
会は、山田俊幸卒後指導委員長の挨拶に始まり、地域医療推進課長の進行によりブロック担当者、および学内者から1年間の報告が行われました。
全体討論では、テーマを「今後の地域ブロックにおける支援活動の展開について」と題して、ディスカッションを行いました。平成25年度から各地で開催してきた各都道府県の女性卒業生の集まりも回を重ね、大学が少しずつ蓄積してきたノウハウをブロック担当と共有し、地域での活動に活かしていくことなど、終始活発な意見交換がなされました。女性卒業生の数が増加する中で、今後ますますブロック担当を中心とした地域での活動が活発化することと思われます。いただいたご意見を参考に、今後の活動について検討していき、また来年度の会議の場に繋いでいけたらと思います。この内容については年度末に報告書として発行する予定です。
この場をお借りして、遠方よりお越しいただいた卒業生の先生方に感謝申し上げます。
≪今回ご参加いただいたブロック担当の卒業生≫
・十枝めぐみ先生(香川13期) ・白石 裕子先生(島根17期)
・中村 剛史先生(静岡21期) ・横谷 倫世先生(奈良21期)
・定金 敦子先生(福岡22期) ・影向 一美先生(新潟24期)
・渡邉ありさ先生(埼玉24期) ・新井 由季先生(栃木25期)
・山本 智美先生(北海道33期)
平成27年度から、学生により具体的に卒後の勤務等について考えてもらう機会として、卒業生の先生とその出身県の学生との小規模懇談会を開催しています。
今回は、卒後ワークライフバランスについて考える会2019 in Jichiでチューターとしてご参加いただいた、大阪府19期の井岡亜希子先生を囲んだ懇談会を開催しました。当日は、大阪府出身の学生14名、また井岡先生のこれまでのキャリアでゆかりのある秋田県出身の学生6名、沖縄県出身の学生3名の計23名の学生が出席しました。
始めに司会から井岡先生のご紹介があった後、井岡先生から卒後から現在までをスライドを使ってお話しいただきました。井岡先生は現在、大阪府内でクリニックを開業しておられます。また、琉球大学で非常勤講師としてもご活躍されています。義務年限中は、大阪府内の保健所、府立成人病センターや大阪府立病院で勤務され、義務年限を全うされました。義務年限の終了後は、府立成人病センターに大阪府のがん対策に携わり、琉球大学や秋田大学の非常勤講師として、秋田県、沖縄県にがん対策に関わられた経歴をお持ちです。学生は井岡先生のお話に真剣に耳を傾けていました。
大阪府は義務年限中に公衆衛生分野に派遣されることもありますが、学生から「公衆衛生から臨床に戻ることに不安を感じているが、どう感じていたか?」という質問に対し、「臨床に戻るときは、とても勇気がいった。最初の数か月はとてもつらかったが、どこに行くにしても最初はつらいものなので、熱意さえあればなんとかなる。最初はしんどくて続けられるかなと思ったが、今は面白いので、必要なのは勇気と熱意かなと思う。」とご自身のご経験を踏まえたアドバイスをお話しいただき、非常に参考になりました。
参加した学生からは「義務年限やその後の忙しさに不安があったが、熱意があればなんとかなると聞けてよかった。」、「とても楽しそうに仕事をされていて、人とのつながりを大切にしていけば、様々な道が開けることがわかった。」と感想をいただき、卒後に対する疑問の払拭や安堵に繋がったのではないかと思います。
今回の機会が、今後、学生が卒後の勤務について考えていく上で参考になれば幸いです。
→学生懇談会アンケート結果報告(別紙)
令和元年6月30日(日)、医学部学生寮にて卒後ワークライフバランスについて考える会2019 in Jichiを開催しました。女子学生35名、男子学生26名、卒業生13名を含む合計90名の方にご参加いただきました。
今回のテーマは「ワークライフバランスとキャリアの進展~どんなLIFE?~」です。講演会では、田鎖愛理先生(岩手県28期)、神徳穂乃香先生(茨城県39期)、中嶋裕先生(山口県25期)から義務年限中・義務年限後の過ごし方や仕事と生活を両立していく様子についてご講演いただきました。
卒後、それぞれに異なる道筋を歩む3名の卒業生のお話は大変興味深く、同じ自治医大を卒業しても、仕事と生活の両立の仕方はそれぞれのライフスタイルがあることを改めて感じました。
講演では在学中のことから現在に至るまで、義務年限中のお話、義務が終わってからのキャリアについてなど、他ではなかなか耳にすることのできない話題に熱心に聞き入っている学生の様子が非常に印象的でした。
その後はグループワークと懇談会を行いました。
グループワークでは、「どんなライフスタイルを思い描きますか?」をテーマとしてディスカッションをしました。講演や卒業生のお話を受けて、自分の将来について具体的にイメージを膨らませながら、キャリアとライフの両立について話し合いました。
学生から「様々な地域での様々な医療活動、プライベートの過ごし方をきくことができて参考になった」といった意見や「自分が将来どうなりたいかを考えるきっかけになった」といった意見も聞かれました。
参加者から「時間が短く感じた、もっと卒業生や学生とお話しする時間がほしかった」という意見が聞かれるほど、会は盛況となりました。グループワークでは、普段、お話しする機会が少ない人たちとディスカッションすることで、いろいろな意見に触れることができ、自分自身を見つめ直す機会へつながり、非常に有意義な時間となったようでした。
この会が、卒後のどこかのタイミングで役立てられたり、困ったときに相談相手がいる関係性づくりの一助となり、卒後について不安に思う学生にとって、前向きに考える支えになれたら幸いに思います。
講演会の様子については、地域医療推進課のホームページにて動画を公開しておりますので、ご覧いただければと存じます。
今回の会を開催するにあたり、医学部同窓会からの協賛があり、参加者全員にクッキーの差し入れがありました。この場をお借りして、深く御礼申し上げます。 また、お忙しいところ遠方よりご参加いただきました卒業生の先生方に感謝申し上げます。
講演①田鎖愛理先生
「『非典型的』な卒業生のLife-Work Balance」
・ご自身の体調との付き合い方について
・義務年限中、広い岩手県を縦断、遠距離かつ日帰りの診療応援
・次のステップアップをどうするか、日々悩みながらご自身のキャリアを進んでいる様子を、等身大でお話しいただき、誰しも悩みがあることを気付かせてくださいました。
講演②神徳穂乃香先生「かけ出し医師の日々~これまでとこれから~」
・卒後4年目の神徳先生からは比較的学生に近い視点で、学生から研修医へのギャップ、研修医を経て地域の病院で勤務するようになった際の変化について、お話しいただきました。
・神徳先生は、千葉県出身の同級生と結婚協定を締結されています。学生のうちからしておいたほうがいいことのアドバイス、ご自身の場合はどうしたかをお話しいただき、とても参考になりました。
講演③中嶋裕先生「私の中でのワークとライフのバランスーこれからのチャレンジも含めてー」
・中嶋先生は、2人のお子さんを持つお父さんドクターで、2人目のお子さんが生まれるタイミングで2週間の休暇を取得された経験をお持ちです。
・「子どもの成長は日進月歩である。育児休暇は子どものためではなく、自分のためにとる」
・将来後輩が育休を希望したとき、育休を取らせてあげられる上司になろうと、後輩医師のワークライフバランスのことも考えておられ、「ライフもワークも楽ではないが楽しい」とお話しする中嶋先生の様子がとても印象的でした。
・お弁当を食べながらグループ毎に懇談。
どのグループも非常に盛り上がっており、最後の発表では他のグループからの様々な意見に対し、会場からは感嘆の声があがったりしました。講演者の先生方をはじめ、遠方からお越しの卒業生にもご参加いただき、有意義な時間となりました。この場をお借りしまして、御礼申し上げます。